新型コロナのオミクロン株は弱毒株なの? |
#53. 新型コロナのオミクロン株は弱毒株なの?
Q |
32歳の看護師ですが、現在(令和4年1月上旬)、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の市中感染が急増し第6波の宣言もなされ、西日本では蔓延防止宣言も発令されました。重症化リスクは低いと言うもののワクチンに依る感染予防効果も乏しく、医療機関に大きな負荷がかかるおそれがあります。 このままで大丈夫でしょうか? |
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A |
オミクロン株は瞬く間に世界に拡散オミクロン株は昨年11月下旬に南アフリカで報告されて以降またたく間に世界中に拡散し欧米各国では過去最多の感染者数になるなど、再び新型コロナ感染の恐怖で世界を包み込みつつあります。
「受容体結合領域」に多くの変異この変異株が危険視されている根拠は、ウイルスがヒトの細胞に侵入する際に直接細胞と接する領域である「受容体結合領域」に従来とは比べものにならないほど多くの変異が起きていることです。 このために感染性が高まるのみならず、重症化を防ぐために感染初期に投与される『中和抗体療法』からも逃れ易くなっていることです。
感染力はデルタ株の3倍から5倍実際オミクロン株はデルタ株に比べ感染力が3倍から5倍高く、3回目を含めたワクチン接種者も容易に感染してしまうようです。2月には国内のウイルスがすべてオミクロン株に置き換わる可能性も指摘されています。また感染してから発症するまでの潜伏期間は、デルタ株より短く3日前後とされています。 また代表的な中和抗体であるロナプリーブは効果が1/1000程度に低下する一方で、ゼビュディという抗体は効果が期待できるようです。
3回目のワクチン追加接種で発症予防効果、重症化予防効果共に改善他方、新型コロナに対するワクチンの発症予防効果は接種から時間を経るごとに下がるものの、重症化を予防する効果は一定程度保たれるというデータが出てきています。さらには3回目の追加接種で発症予防効果、重症化予防効果共に改善するという報告も出てきています。 イギリスの保健当局によると、オミクロン株に感染して入院に至るのは、デルタ株の場合の約3分の1と報告されています。ワクチンに依って入院に至るのを防ぐ効果は、2回の接種後2週間から24週間では約7割、25週を超えても約5割、3回目の追加接種をしたあと2週以降だと約8割期待できるとの報告もあります。
医療機関への負荷は予断を許さず一方で、オミクロン株は感染拡大のスピードの速さや免疫から逃れる性質のため、重症化リスクが低いといっても必ずしも医療機関への負荷が減ることは意味せず予断は許されないとも言われています。
オミクロン株への対策は適切なマスクの使用と手洗い・消毒、3密を避けることとワクチン接種オミクロン株への対策はと言うと従来と同様、適切なマスクの使用と手洗い・消毒、3密を避けることに加えて更に出来るだけ多くの方にワクチン接種をしていただくことに尽きます。
PCR検査結果が陰性でも新型コロナでないとは言えないことにご注意注意していただきたいのはPCR検査結果が陰性の場合でも、この検査の感度が70%程度であるため新型コロナでないとは言えないということです。 特に感冒症状がある方は陰性でも念のため新型コロナ陽性かもしれないという前提での慎重な行動が是非とも望まれます。
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