新型コロナ感染の第7波は来るの? |
#55. 新型コロナ感染の第7波は来るの?
Q |
今年のゴールデンウイーク(GW)は3年ぶりの移動制限がない大型連休とあって、マスク着用規制はあるもののようやく行楽に出かけられるようになってきました。全国の感染者数も徐々ではありますが減少してきていています。他方様々な新たな変異株の報告もあり、第7波を警戒する声もあります。 はたしてこのまま行動制限を解除していっても大丈夫なのでしょうか? |
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A |
更に感染力の強いオミクロン変異株のBA.2第5波を形成した新型コロナのデルタ株よりも更に感染力の強いオミクロン株(BA.1)が今回のより多くの感染者を出した第6波の主たる変異株であったことは広く知られています。 しかしその波が緩徐に下がっていく中で更により感染力の強い変異株のBA.2に置き換わっていきGWの頃にはほぼ全てがこの株に換わると言われています。
第6波の下げ止まりの要因のひとつはBA.2の拡散?「1人が何人に感染を広げるか」を示す「実効再生産数」は、BA.2がBA.1の2割ほど高くより家庭内でも感染しやすい為、ワクチン未接種の若者を中心に感染が広がっていることが第6波の下げ止まりの要因と考えられます。 蔓延防止措置の解除で人の動きが活発化する中で第6波が治まりきらないままBA.2あるいはその他の株に因る第7波に移行してしまう可能性も懸念されます。
BA.2よりもさらに感染速度の速いXE株またBA.1とBA.2の混合型で感染速度がBA.2の12.6%速い新たなXE株が英国で広がり始めており、先月には国内でも感染者が確認されています。この変異株の「実効再生産数」はBA.2より更に26%高いと報告されています。 感染力は変異株が代わるたびに増していますが幸い重症化率はむしろ低減しているようで、ワクチンの普及、重症化予防の内服薬や抗体薬の開発、重症者への治療法の進歩等と相まって、感染者数に比して死亡者はさほど多くは無く、医療崩壊にも至っていないのは海外とも共通した状況です。 とはいえ最近南アフリカではこれまでの型より免疫を回避する力が強いとみられるBA.4やBA.5といった新たな変異株が報告されてもいます。
変異株にも有効な新たなワクチン開発が進行中では終わりの見えないこうした更に大きな感染の波を繰り返しながら、新型コロナウイルスと人間は馴染んで共存への途に就くのか、はたまた従来とは大きく変異した強毒株の出現で振り出しに戻るのか予測困難です。 ウイルス変異の動向の慎重なモニターと共に、変異株にも有効な新たなワクチン開発が望まれますが、既に臨床試験が進んでいるようです。
感染予防効果まで期待できる新たなワクチンの早期の登場が切望される現行のワクチンも追加接種で変異株による重症化を防ぐ効果が高まるため、国内でも4回目接種の準備が始まっていますが、現行のワクチンは重症化予防効果が期待できても感染予防効果は乏しいため、重症化リスクの低い若者中心に接種率が進まないことが、集団感染拡大予防という観点からは問題となっています。 感染予防効果まで期待できる新たなワクチンの早期の登場が、今後の第7波のコントロールの鍵となると思われます。 |
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