ギンナンを食べ過ぎると痙攣を起こす!? |
#56. ギンナンを食べ過ぎると痙攣を起こす!?
Q |
先日叔父からお酒のつまみにとギンナンを一袋おみやげにいただきました。 封筒に入れてレンジで30秒温めるととても美味とのことでしたが、食べ過ぎると痙攣をおこすからと忠告付きでした。 ギンナンとはそんなに恐ろしい食べ物なのでしょうか? |
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A |
ギンナンは愛知県の特産品のひとつギンナンとは、ご存じのとおりイチョウの木の実のことで、茶わん蒸しなどにも入っている丸くて柔らかい黄色い実です。 イチョウは街路樹としても普段目にする身近な樹木ですが特に秋には樹木全体が鮮やかな黄色に染まり、道路にちりばめられた落ち葉はさながら黄色い絨毯を敷き詰めたようで、秋の風物詩のひとつとも言えます。 実はこのギンナンは愛知県の特産品のひとつで全国トップクラスの産出額を誇り、特に稲沢市や一宮市は有名です。
ギンナンには疑似ビタミンB 6が含まれているところでこのギンナンにはメチルピリドキシンというビタミンB 6に極めてよく似た化合物が含まれているため、ギンナンを大量に摂取すると体内のビタミンB 6と競合してしまい、ビタミンB6欠乏症と似た中毒症状を起こすことが解っています。
ビタミンB6は体内の様々な代謝に関係するビタミンB6は、およそ100種類もの酵素に対してその働きを助ける補酵素としての役割を担っています。代表的なものとしては、 1)たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝 2)神経伝達物質の代謝 3)皮膚の抵抗力の増進 4)免疫機能の働き 5)赤血球に含まれるヘモグロビンの形成 などがあります。
ビタミンB6は様々な食品に含まれているビタミンB6は広く各種食品に含まれていますが、かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉など、また果実ではバナナにも比較的多く含まれています。 またビタミンB6は腸内細菌によっても作られることから、一般的には不足しにくいのですが、抗生剤を長期間服用している場合には腸内細菌のバランスが崩れて不足することがあります。 また偏食のために潜在的なビタミンB6の欠乏状態にある人がギンナンを摂取すると、容易に中毒となることも予想されます。
中枢神経の異常興奮により痙攣を引き起こす最も顕著な中毒症状のひとつとして、中枢神経の異常興奮により引き起こされる痙攣があります。これはビタミンB6がグルタミン酸から神経を抑制する伝達物質ができるときに補酵素として働くことに起因します。 重篤な場合は、全身性の痙攣を伴い、意識を失うことがあります。そして、最悪の場合は死亡する例も報告されていますので、くれぐれも食べ過ぎにはご注意下さい。
特に子どもで中毒症状を起こしやす特に子どもでは中毒症状を起こしやすく、報告されている全患者の70%以上が10歳未満の子どもたちです。 ギンナンの経口中毒量は、かなり幅がありますが子どもは7~150個、大人は40~300個と言われています。小さい子どもの場合は5~6個食べただけで中毒を起こしたという報告もあります。
中毒の発現は摂取後、数時間が一番多い中毒の発現は摂取後、数時間が一番多いようですが、疑われた場合は直ちにビタミンB6製剤を投与することが最も効果的であると言われています。 ひとり暮らしのおじいさんがギンナンを抱えて晩酌していたらどうかご注意下さいね!
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