ストレスチェック制度とは?

#25. ストレスチェック制度とは?

Q

3年前にうつの診断で一時心療内科に通院していました。半年ほど前から現在の職場での人間関係にもストレスを感じるようになってきました。最近ストレスチェック制度が始まったと聞きましたが、どのようなシステムなのでしょか?

A

ストレスチェック制度の経緯

 メンタルならびに自殺・過労死等の予防を目的として、医師による「長時間労働者面談」制度が平成18年4月にスタートしました。しかし精神障害の労災件数は増加し続け自殺者数も減少傾向に至らず、その実効性は充分とは言えませんでした。そうした中で紆余曲折の国会審議を経て制定されたのが今回のストレスチェック制度です。

 

ストレスチェック制度とは 

 ストレスチェックは労働者に対して行う心理的負担の程度を把握するための質問票形式の検査です。今回労働安全衛生法の改正により、従業員50人以上の事業所では平成27年12月から年1回実施することが義務付けられました(50人以下の事業所では当面努力目標です)。質問票には「職場のストレス要因」、「心身のストレス反応」、「周囲のサポート」の3つの領域が含まれて、労働者が自分のストレスの状態を知ることで、ストレスの緩和を図ったり、ストレスが高いと判定されて本人から申し出があれば医師による面接指導を受けたり、あるいは会社側に仕事の負荷の軽減を要望したり、職場環境の改善を図ることで、うつなどのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みです。

 

ストレスチェック制度の運用について

 ストレスチェックの結果は本人に通知されますが、本人の同意が無い限り会社の上司や責任者に通知されることはありません。また面接指導の結果を理由として事業者が、解雇、雇い止め、退職勧奨、不当な動機・目的による配置転換・職位の変更を行うことは禁止されています。 またこの制度は個人のメンタルヘルス不調の未然防止だけでなく、部署ごとのストレス強度を数値化して客観的にまた経時的に評価することによってより働きやすい職場を実現し、ひいては生産性の向上にもつながるものと期待されています。

 

ストレスチェック制度の効果は?

 しかしながら、その効果に関して実際のところは未知数であり、専門家の間でも意見が分かれています。懸念されるのは、質問票が57項目(簡易法でも23項目)もありますので、受診者がどこまで正確に回答できるのか、また高ストレスと判定された人の中でどの程度の割合の人が医師の面接指導を受けようとしてもらえるのか、あるいは企業のメンタルヘルス対策の改善にまでつながっていくのか、労働者、事業者共に形式的な制度にとどまってしまうのではないかといった点です。 今後の成果を見極めつつ積極的に生かしていきたいものです。

   参考サイト:5分でできる職場のストレスセルフチェック  

           厚生労働省 こころの耳

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