健診と検診の違いは?

#18. 健診と検診の違いは?

Q

私の職場では年1回の「健診」が実施されていますが、がん検診などの「検診」とはどう違うのでしょうか?

A

「健診」とは、自分の健康状態を大まかに調べるもの

 「健診」とは、いわゆる健康診断あるいは健康診査のことで、健康であるか否か自分の健康状態を大まかに調べるために行われるものです。主に自覚症状のない人が、自分の健康状態を知って生活習慣病を予防したり、隠れた病気を発見するために行われます。特定の病気を発見していく事が目的ではなく、どこかに異常がないかを広くふるいにかけて調べることが目的です。健康診断には、乳幼児健康診査や学校で子供達の発育の状態を調べるために行う学校健診、糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣との関連のある疾患を調べる生活習慣病健診や特定健診、また妊婦さんに対する正常な妊娠の経過や妊娠中の合併症の有無、ハイリスクな妊娠ではないかどうかを確認する妊婦健診等が行われています。また職場で実施される定期健診は労働安全衛生法で一年毎に1回以上定期的に行うことが義務付けられています。

 

人間ドックは総合的な精密検査 

 人間ドックも健診に含まれますが、検査の種類や項目も多くより専門的となります。総合的な精密検査と考えていただくと理解しやすいかも知れません。施設によっては脳ドック、物忘れドックといったように、臓器や症状に焦点を合わせたドックが組まれているところもあります。

 

「検診」は、特定の病気を早期に発見し、治療するためのもの 

 一方、「検診」は、特定の病気を早期に発見し、早期に治療することを目的としています。「がん検診」などがその代表例で、健診とは目的が異なります。ちなみにがん検診は健康増進法に基づく健康増進事業として市町村が実施しています。胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診は40歳以上の方が年に1回、子宮がん検診は20歳以上、乳がん検診は40歳以上でそれぞれ2年に1回受診していただけます。内閣府が2007年に調査した「がん対策に関する世論調査」によると、それぞれのがん検診の未受診率は、「胃がん46.2%」「肺がん52.0%」「大腸がん54.7%」「子宮がん37.9%」「乳がん50.2%」で、まだまだがん検診の実施率は十分とは言えません。

 

「健診」も「検診」も、無症状の人が対象、自覚症状があれば通常の受診を

 「健診」も「検診」も、共に日常生活に支障なく健康上の問題を抱えていない、無症状の人を対象にしています。何か自覚症状がある方は、まずは医療機関を受診することをお勧めいたします。必要ならば症状に応じた検査や治療を迅速に受けていただくことができます。

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