更年期の関節痛はリウマチ? |
Q |
29歳の主婦ですが、最近母親がイライラや顔のほてりなどの症状があり、さらに手指や肘、膝の関節痛もでてきました。リウマチも心配していますが、更年期障害にリウマチを合併することは多いのでしょうか? |
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A |
更年期障害の原因はホルモンバランスの乱れ更年期障害とはホルモンバランスの乱れが原因の身体的・精神的不調のことで、自律神経失調症の一つとも言えます。 男性にも更年期障害はありますが、特に女性では更年期を迎える時期になると、卵巣の機能が衰え卵巣から分泌されている女性ホルモン(エストロゲン)の量が減少しホルモンバランスの乱れによって、ほてり・のぼせ、発汗、冷え、動悸、疲労、神経質、不眠、うつ、頻尿などの症状が現れます。 また更年期の時期は、子供の独立・夫の定年・親の介護など生活のリズムの変化による精神的ストレスの増加も影響し易い時期でもあります。
更年期の慢性的な関節痛の主な原因は「女性ホルモンの不安定性」と「関節リウマチ」更年期に起こる慢性的な関節痛の代表的な原因として、「女性ホルモンの不安定性」と「関節リウマチ」があります。 エストロゲンは、筋肉や腱などの関節支持組織の柔軟性を維持する働きもしていますので、更年期になると手足のこわばりや関節痛も現れ易くなります。
関節リウマチは自己免疫疾患、膠原病と言われる疾患のひとつ一方、関節リウマチは自己免疫疾患、膠原病と言われる疾患のひとつで、40代〜50代の女性に発症しやすい病気で、更年期と重なります。 罹患率は人口の0.6~1.0%、我が国の患者数は60~100万人と推定されています。 そもそも膠原病とは本来外敵を排除するためにある免疫という体の防御システムが変調をきたして、自分の組織に向けて働いてしまうために生じる異常な自己免疫反応です。そのため全身に炎症が起こりやすくなり関節や内臓などに障害をきたします。 原因としては遺伝因子やさまざまな環境因子の関与が疑われていますが詳細は未解明です。 多くの膠原病の疾患(関節リウマチを除く)が厚生労働省の指定難病とされています。 特に関節リウマチでは免疫による攻撃が関節を覆う膜「滑膜」に対して働き、慢性的な関節炎を起こします。関節破壊が進行してしまうと、手足の関節が著しく変形していきます。
「女性ホルモンの不安定性」に因る関節痛も「関節リウマチ」に因る関節痛も初期の症状は似てるが、治療法が異なる「女性ホルモンの不安定性」に因る関節痛も「関節リウマチ」に因る関節痛も特に初期の症状は似ていますが、治療法が異なるため専門家による診察や検査で見分けていくことが必要です。 治療法は前者であれば女性ホルモン補充療法が効果的ですし、後者の関節リウマチにおいては、従来のステロイドホルモンや免疫抑制剤、免疫調整薬に加えて、分子標的薬やモノクローナル抗体といった有効な新薬も使用可能となっています。
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