眠っている間に過食をしてしまう? |
#36. 眠っている間に過食をしてしまう?
Q |
叔母が最近深夜に起き出して冷蔵庫の中の物やキッチンにあるお菓子などをかたっぱしから食べまくってみるみる肥満となってきました。しかし本人はまったく自覚が無く、朝食べ物が無くなっていると驚いています。本当に自覚が無くてこのようなことが起こるのでしょうか? |
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A |
『睡眠関連食行動障害』という夢遊病の一種これは寝ている間に体が勝手に起きて、食事をしてしまうという現象で夢遊病の一種、専門用語では『睡眠関連食行動障害』と言います。就眠直後から1時間以内に過食を始め、多くの場合、食事内容は、脂肪分や糖分の多い高カロリー食ですが、未調理の物や食用でないペットフードや卵の殻など、時にはタバコや洗剤など常軌を逸した物を食べたりもします。一晩に複数回生じる場合もあります。 料理までするのに記憶がない時には料理までしているのに、翌朝、患者はその間の記憶がほとんどありません。また意識障害下での行動であるため、事故や負傷することもあります。夜間に多量摂食するため、朝の食欲不振や腹部膨満感を訴えることも多く、翌朝目が覚めた時に食べ物の残骸などが散乱している状態に愕然とするということが繰り返し起こります。 原因には薬剤の副作用や精神的ストレス原因には薬(睡眠薬・精神安定剤など)の副作用、精神的なストレス等が考えられていて、特にダイエット中の女性に多いそうです。
夜間摂食症候群との違いはこれと紛らわしい用語に夜間摂食症候群がありますが、これは夕食から入眠前までの間や中途覚醒時に強い摂食欲求があり、我慢すると眠れなくなるため夜間のむちゃ食いが習慣化した状態です。患者は夜間の食事中には完全に覚醒していて翌日も記憶があり、また食事内容も普通である点は『睡眠関連食行動障害』と異なります。
そもそも夢遊病とは正式には睡眠時遊行症といい、就寝してから1時間~3時間の間のノンレム睡眠とよばれる深い睡眠中の寝返りをうつ時間帯に突然ベッドから起きあがったり周囲を歩き回るなどの行動がしばらく続く状態です。一般に4~8歳の間に発症し、最も頻度が高いのは12歳前後です。子どもの10~30%が1回以上経験していると報告されています。原因は分かっていませんが、大人になってから発症した場合は、睡眠時無呼吸、てんかん、鎮静剤等の薬剤、ストレス、認知症等との関連も考慮すべきです。また単発では発熱が誘引となる場合もあります。
『睡眠関連食行動障害』の治療はまずストレスとなっている要因を解消する事ですが、加えて抗うつ薬・抗てんかん薬などの薬物療法も選択肢となります。 |
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