肥満治療の奥義とは?

#40. 肥満治療の奥義とは?

Q

 今まで様々な肥満治療を受けても効果が挙がらなかった娘が、とあるファスティング道場の合宿に参加して1ヶ月で10kg減量して帰ってきました。しかし半年も経たないうちにリバウンドしてしまい更に太り続けています。究極の肥満治療法というものは無いのでしょうか?

A

 肥満の最大の問題点は生活習慣病(糖尿病、高血圧症、高脂血症)

 飽食の時代の中で肥満に悩む方が増えていますが、肥満の最大の問題点はいわゆる生活習慣病(糖尿病、高血圧症、高脂血症)の素地となりこれらは動脈硬化につながり脳卒中や心筋梗塞といった重篤な疾患のリスクを上昇させてしまうことです。従って肥満治療は長い目でみた予防医療であり健康寿命を延ばしていくうえでとても大切な事なのです。

 

ダイエットの大原則は極めて単純 カロリーバランスの問題なのです!

 世の中にはダイエットの話が満ち溢れていますが、実はダイエットの大原則は極めて単純です。つまり①消費カロリーと②摂取カロリーのバランスの問題です。①>②ならやせる、①<②なら太る、①=②なら変わらない。では②はそのままで運動や燃焼系の漢方薬等で①を増やしてあげればやせていくかと言うと、実際に運動等で消費できるカロリーは意外と少ないのです。例えば白米茶碗1杯(約250kcal)を運動で消費しようとすると相当激しい運動をしなければなりません。そうなると現実の日常生活で①>②とするためには『摂取カロリーを現在の消費カロリーより少なくしてあげる』という単純な答えなのです。

 

ひもじい、つらいという感覚を最小限にしながらやせていくには

 ではどのようにしてひもじい、つらいという感覚を最小限にしながらやせていくかそこが最も重要なポイントなのです。そのための最も効果的なのがいわゆる置き換えダイエットです。カロリーの多い食事(油を使った物、炭水化物)を減らし、逆にカロリーの少ない物(野菜、蛋白質)を追加して食べ甲斐を損なわないようにしつつ、全体のカロリーは抑えていくのです。糖質ダイエットやプロテインダイエットも同様の発想です。

 

置き換えダイエットをより効果的にするためには

 その為にはまず目標の体重と1日の総カロリーを設定し、概算で1日の総摂取カロリーを計算して目標カロリー以内に収める(間食もカウントする)。

 さらに食べ方にも要注意で、まとめ食い+早食いが最も食後血糖の上昇が大きく代謝は脂肪合成に回り易いのです。従って分割摂取(朝・昼しっかり、晩軽く)+ ゆっくり摂取(30回噛んで食べる)が理想的です。

 更に食べる順番もカロリーの少ない物からにすると吸収が緩やかとなり脂肪合成に回りにくいのです。

 

継続のコツは週に1回自分へのご褒美の日を作ること!

 継続のコツは週に1回自分へのご褒美の日を作って、その日はカロリーの事を忘れて食べ放題にするとストレスが発散できて、結局長続きします。しかも人間は1日で太ったりやせたりはできません。

大切な事は普段のカロリーバランスをマイナスに傾けておくことなのです。 

 また補助的ですが、毎日朝晩体重を計ってグラフ化、空腹時の定期的運動や燃焼系の漢方薬、マイクロダイエットの併用もあります。当院ではこれらを総合的に指導しています。

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